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地域の枠を超えるコミュニティの仕組み

今回は、「地域と関わる映画製作の現場 〜出演者とコミュニティ〜」と題し、映画監督の秋原北胤さんをお呼びしての授業!
地域活性って、特産物を都会に出したり人口を増やす活動をしたりといろんな方法がありますが、秋原さんはそれを「映画」から解決しようとしているんです!
映画と地域活性って、一見関係なさそうな感じがしますが…映画から一体どんな地域活性が生まれるのか?その全貌を一挙公開していただきました!

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秋原さんの地域性を出した映画のつくりかた
秋原さんが地域活性のためにやっていること。それは、地域の方と一緒に映画をつくることです。
演出・映像・音楽・衣装など、映画には様々な要素がありますが、そこを地域の方々がカバーします。そうすることで映画に地域性が出て、活性化に繋がるのです。
地域の方々が協力したこんなエピソードがあります。時代劇の映画を撮ることになり、コストを抑えるために、エキストラの方に着物を着てきてもらうことになりました。でも、若い人だと持っていなかったりしますよね。そんな時、衣装の着物を地域の人が用意してくれたのだとか…!また、そこの地域にわらぞうりの作り手さんがいたので、みんなでそれを履いて、映画に出たそうです。

そしてもうひとつおもしろいエピソードがありました。戸隠の映画撮影での出来事です。馬が必要なシーンだったのですが、そこには馬がいなかったんだそうです。そこで秋原さんなんと、すぐ近くで飼っていた「ヤギ」を使うことにしたのです!
さすがにその話にはびっくり…でも、その地域にある、あるいはいるもので代用することが、秋原さんの映画の地域性の出し方なんです。しかもコスト面も下げられるし、うちのヤギが映画に出たってことで話題にもなる。そんな、みんなが得する方法を作りあげました。

エキストラ出演して地域交流?
そして、秋原さんの映画にはエキストラとしても地域の人が参加するんです!それも、何回も出てくれるリピーターの方が多数いるのだとか。
実はここが、地域交流のみそなんです。映画を撮影するロケ地に住む方、リピーターとして来た他地域の方が一緒にエキストラとして出演することで、地域という枠を超えたコミュニティが生まれているんです!

この授業にも、秋原さんの映画にエキストラとして出演するリピーターの方が参加してくれていました。

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この方は映画のエキストラはこれまで3回経験され、3回目は「心の綺麗ないじわる女性」の役を演じきったそう。もはやエキストラというより女優さんでは…!
「もちろん監督の意図はあるけど、細かいところは自分で考えて演技します。それが採用されたときの喜びは大きいですよね」と満面の笑みでお話されていました。
素人だからこそ出てくる発想を大事にしたいと秋原さんは言います。少しでも自分の意見が映画に良い影響を与えることができたら、みんなで作っているという感覚が嬉しいし、楽しいですよね。
秋原さんは何回か参加してもらううちに、こういうやりたいことやアマチュアでもスペシャリストになれることを見つけ出して、地域の方との映画の製作をしているんですね。

秋原さんの映画は、秋原さんが持つ濃い人間関係と人柄から生まれているのだなあと感じます。その地域に住む人ひとりひとりをちゃんと見ていて、だからエキストラにリピーターがつき、みんなで映画作りができている。
私が関わっているこの「まちの教室」も様々な地域で開催していますが、リピーターとして来てくださる方がいらっしゃいます。そこでできたコミュニティからまちが盛り上がったり、新しい事業が生まれたり。このわくわく感と同じだなあと、この授業を聞いていて思いました。
こういう感情って、地域を盛り上げるためには必要不可欠だと私は思います。秋原さんの映画の話を聞いていて、秋原さんをはじめこの映画作りに関わるすべての人が、楽しく・より良くするために考えているから、秋原さんの映画づくりは地域活性、そしてコミュニティづくりに繋がっているように思いました。

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(まちの教室スタッフ 岩間夏希)

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秋原北胤(映画監督)
1963年生まれ。東京大学文学部を卒業後、番組プロデューサーなどを経てフリーの映画監督に。2013年には全国各地の地ビールを飲みながら交流ができるカフェをつくるなど、監督業と併せて地域活性化事業にも取り組んでいる。