report

自転車とわたしとまちの距離

「小学校3年生のころから自転車をばらすのが好きだったんですよね。」

最初の自己紹介から、少年のような目をしていた講師のチダさん。
勤めていた会社をやめアメリカのポートランドへ修行にいき、自転車のフレームビルダーになるまでの道のりを最初にお話していただきました。

20150627032_01

自転車はわたしにとってすこしだけ距離がある存在。
日常的に使っていたので、親しみがあるけれど「自転車が趣味です」とか「自転車好きなんだよねぇ」というと、ロードバイクみたいなサドルが高い自転車に乗っている人を想像されそうなのです。

高校の入学とともに買ってもらったママチャリは今年で8年目。今は友人たちとシェアして使っています。
マイルドな赤色とカゴからペダルにかけたライン、サドルのグレージュの色(2年前、割れてしまい張り替えてしまったのですが)がとても気に入って購入した大切な自転車です。
大学の友だちはロードバイクに乗り換えて取り残された気分になっていました。(実際ママチャリだと上り坂が遅くておいてかれそうになる)

だからチダさんのポートランドの自転車事情のはなしの中ででてきた「ママチャリもとても愛されています」や「ものを大切にしていて、気に入った1台を長く乗る」という言葉を聞いたとき、なんだかとてもうれしくなりました。(8年目に突入した自転車、この先も修理しながら使っていこう…!)

20150627032_02

ポートランドには自転車屋さんもいたるところにあり、自転車専用のマップができるくらいまち全体に自転車専用レーンが張り巡らされているまち。バスの前のところに自転車が乗せられるようになっていたり電車に持ち込めたり、自転車でも公共交通機関が気軽に利用できるようになっています。

さらに、進化系(!)の自転車もたくさんあるようで、夫婦と子どもが一緒に乗れる自転車や、家の2階から乗り降りできるやたらと背の高い(家に帰ってくるまで降りれないじゃん!)自転車などユニークな自転車が紹介されました。

「はやく走る」だけではない自転車の楽しみ方もたくさんみることができて、とてもおもしろかったです。自転車を通していろんな人とポジティブなコミュニケーションをとることができるのですね。

20150627032_03

講師のチダさんはポートランドで自転車のフレームビルダーになるための修行をしたあと、帰国して、現在は安曇野に工房をもっています。この日もひとりひとりの身体に合わせて自転車をつくる道具をもってきてくださいました。身体に合わせてもらうことで自分だけの自転車ができあがります。すごい!

最後に、城下町特有の道路の狭さや、急な坂があったりなど、自転車にのる人にとってあまり走り良い環境とはいえないという松本の自転車事情のお話がありました。たしかに、松本に住んでいた1年間、車にはクラクションを頻繁に鳴らされたり何度もひかれかけた思い出が…(笑)

そこで松本に「こんなサービスがあったら…!」ということをグループになってディスカッションしました。自転車で来ると割引されるサービス、自転車を持ちながらも公共交通機関をもっと利用しやすくする仕組みをつくってほしい、レンタサイクルをもっと充実させる、など様々なアイディアがでてきました。
これから益々自転車に乗ることが快適でたのしくなっていくまちになっていきそうですね。わくわく。

20150627032_04

20150627032_05

20150627032_06

(まちの教室スタッフ 小口真奈実)

===

チダ リュウジ(北アルプス工房 タワーサイクルズ 代表/フレームビルダー)
1976年生まれ。幼少の頃より既存の自転車では満足できず改造する日々を神奈川県で過ごす。20代の頃にパーソナルコンピューター「VAIO」と出会ったことで、ソニーイーエムシーエス 長野テック(長野県安曇野市)に入社。長野テックでは、主にPC検査ソフトウェアの設計に従事。ここでモノづくりの難しさや楽しさを経験し、自身の人生において大きな影響を受けるも、より直にお客様の声が聞こえる環境を求め退社。一時は静まっていた自転車熱も安曇野を起点に美しい信州を自転車で走る事で再熱していた事もあり、その後、アメリカ合州国オレゴン州ポートランドへ渡米し自転車フレーム設計・製造技術を学ぶ。現在は安曇野を拠点にハンドメイドかつオーダーメイドの自転車フレームを製作し、長野テックで学んだモノづくり精神 × アメリカで経験した多様な自転車との付き合い方から、新たな自転車文化をこの信州から創造・発信したく活動中。